アリステア・シェルトン=スミス(バリトン)

イギリス出身。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック(王立音楽大学)でケネス・ウーラムに、またドイツのカールスルーエ音楽大学で白井光子、ハルトムート・ヘルに師事。アムステルダムのオランダ国立オペラ・アカデミーでマルグリート・ホーニヒに師事し、2008年モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》のタイトルロールを歌い同アカデミー修了。

以後、主にオペラの世界で活躍し、古典から現代までの幅広いレパートリーを持つ。とりわけ難曲揃いの現代オペラを得意とし、ギリシャ悲劇のオイディプス王を題材にしたマーク=アンソニー・タネジのオペラ《グリーク(ギリシャ人)》の「エディ(オイディプス)」役を、オランダ「Dag in de Branding」現代音楽祭、ドイツのハノーファー州立歌劇場、イギリスのコヴェントガーデン王立歌劇場等で演じ、いずれも傑出した歌唱と演技で各地の批評家達に絶賛された。また、パラム・ヴィーア作曲《黒き羽の飛翔》の「烏匠」役、シュトゥットガルト州立歌劇場におけるマティアス・ヒープ作曲《夢見る人》の「イーヴォ」役、ロッテルダム・オペラ祭におけるベネディクト・ヴァイサー作曲《ペンテレジア》の「アシル」役、オランダ国立バレエのために作曲されたクロエ・シャロディ作のバレエ・オペラ《マグダレーヌ》の「兵士」役など、多くの現代オペラの初演に参加し、大役を担ってきた。そのほか、ボリス・ブラッハーの《洪水》、ベンジャミン・ブリテンの《オーウェン・ウィングレイヴ》、フランシス・プーランクの《カルメル会修道女の対話》、ジャン=カルロ・メノッティの《電話》など20世紀の名作オペラをレパートリーとしている。
 

一方で、ヘンデルの《ジュリオ・チェーザレ》等のバロック・オペラや、《ジャンニ・スキッキ》《トスカ》《マノン・レスコー》《ラ・ワリー》などロマン派オペラのレパートリーでも各地の歌劇場に出演している。オランダのベアトリクス女王の70歳の誕生日記念コンサートでは、モーツァルトの《フィガロの結婚》でアルマヴィーヴァ伯爵役を演じた。2012年、ハンガリーのセゲドで行われたアルメル国際現代オペラ・コンクール入賞。

また、リリカル(抒情的)な声質を生かし、マーラーの《亡き子をしのぶ歌》、シューベルトの《冬の旅》等の演奏にも定評がある。